研究課題/領域番号 |
20K21643
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松坂 賢 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70400679)
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研究分担者 |
小島 崇宏 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍制御学分野, 研究員 (40626892)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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キーワード | 脂肪酸 |
研究成果の概要 |
本研究では、膀胱がんにおける脂肪酸伸長酵素ELOVL6の役割を明らかにし、膀胱がんの新規治療戦略の開発に繋げることを目的とした。非癌部に比べて膀胱癌部ではELOVL6の発現は有意に増加した。膀胱癌では変異や融合によるFGFR3の恒常的活性化が知られているが、活性化FGFR3遺伝子変異を有するヒト膀胱癌細胞株RT112およびJ82におけるELOVL6のノックダウンは細胞増殖を抑制した。RNA-seq解析および脂質メタボローム解析から、ELOVL6の阻害は細胞外微小環境を変化させる可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
代謝学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くのがんでは脂肪酸の新規合成が盛んであることから、この代謝経路ががん治療の新たな標的分子となる可能性が期待されている。本研究により、膀胱癌ではELOVL6の発現が亢進し、特に活性化FGFR3遺伝子変異を有する膀胱癌において細胞増殖能や腫瘍形成能に重要な役割を果たすこと、その分子機序として細胞外微小環境の変化が関与している可能性が示された。今後、さらに膀胱癌の増殖や悪性進展を促進する脂質分子種およびその作用機序を解明することにより、膀胱がんの病態の解明や新規治療法の開発が期待される。
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