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2020 年度 実施状況報告書

モデルマウスを用いた免疫代謝解析に基づく頭頸部癌に対する抗腫瘍免疫活性化法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K21648
研究機関金沢大学

研究代表者

脇坂 尚宏  金沢大学, 医学系, 准教授 (70377414)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワード免疫代謝 / 頭頸部癌 / 動物モデル / 免疫プロフィール
研究実績の概要

本年度はpatient-derived xenograft (PDX)モデルの作成を行い、一定の成果をあげた。患者由来の腫瘍とPDXモデルの腫瘍の形態的類似性を確認するとともに、免疫染色による蛋白発現レベルでも類似していることを確認した。また、シスプラチンに対する反応性や耐性についても類似性を認め、個別化医療を実現するためのツールとしてのPDXモデルの有用性を改めて確認した。化学療法への耐性の評価には、adenosine triphosphate-binding cassette (ABC) トランスポーターの発現(なかでもMDR-1・MDR-2)を免疫染色で評価し、スコア化して解析を行った。
併せて、患者とPDXの腫瘍における免疫状態を比較するためのツールとして、腫瘍免疫関連因子の解析を行い、その結果、少なくとも中咽頭癌では前転移ニッチ形成する因子、高内皮細静脈を経てリンパ組織に至る、いわゆるホーミングに関する因子、また、浸潤Tリンパ球・Bリンパ球の活性を推定するための因子を同定し、今後の免疫代謝状態やその変化の評価を評価するための有用な手法・情報が得られた。その成果により、腫瘍組織内の腫瘍免疫状態を簡便に推定できる様になった。
問題点として、PDXの生着率が低いことが挙げられる。生着率を高めるため、免疫不全マウスをSCIDマウスからさらに免疫が不全なNOGマウスなどへの変更が理想的と思われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

動物モデルの作成と免疫状態を解析するための手法の開発が順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後は、PBMC-PDXマウスの作成に進む。マウスはNOGマウスを使用する予定である。PDXモデルについては既に倫理委員会の承認済みであるが、併せてPBMCの移植についても承認を得る。
並行して、Tリンパ球の免疫状態を解析するための予備実験を行っていく。可能であればBリンパ球へも研究対象を広げ、リンパ球間のクロストークにも視点を広げながら研究に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

初年度は半年間と研究期間が短いこと、そして、動物実験の結果を評価するために時間がかかること、が要因と思われる。結果として、次のステップの動物実験のための物品の購入が年度末に間に合わなかった。
翌年の使用額と合わせた助成金はマウス購入費などにあて、有効に使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Xenografts derived from patients with head and neck cancer recapitulate patient tumour properties2021

    • 著者名/発表者名
      Makita Haruna、Endo Kazuhira、Kasahara Yoshiya、Nakata Asuka、Moriyama?kita Makiko?、Ishikawa Kazuya、Ueno Takayoshi、Nakanishi Yosuke、Kondo Satoru、Wakisaka Naohiro、Gotoh Noriko、Yoshizaki Tomokazu
    • 雑誌名

      Oncology Letters

      巻: 21 ページ: 385

    • DOI

      10.3892/ol.2021.12646

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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