• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

歯の特性を活かした幼若期ストレスの遡及的定量解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K21668
研究機関東北大学

研究代表者

山田 聡  東北大学, 歯学研究科, 教授 (40359849)

研究分担者 鈴木 茂樹  東北大学, 大学病院, 講師 (30549762)
齋藤 正寛  東北大学, 歯学研究科, 教授 (40215562)
根本 英二  東北大学, 歯学研究科, 准教授 (40292221)
齋藤 幹  東北大学, 大学病院, 講師 (40380852)
土屋 志津  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (60610053)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
キーワード象牙質 / 幼若期ストレス / コルチゾール / コルチコステロン
研究実績の概要

象牙質は新生硬組織が歯髄側に添加していく年輪様の多層構造の非代謝性組織であるため、象牙質から検出されるホルモンは象牙質石灰化時期の全身循環状況を反映し、象牙質は「ホルモンバランス変化の記録媒体」としての価値を持つに違いない。そこで本研究計画では、1. 幼若期循環ストレスホルモン量が増加するマウスモデルにおいて、成体から回収される象牙質を分析し、幼若期循環ストレスホルモン濃度変化が遡及的かつ定量的に解析できること、2. ヒト脱落乳歯象牙質においてもストレスホルモンが検出されることを明らかとすることを目的としている。2020年度は、マウスを用いた動物実験モデルの構築を行った。東北大学動物実験委員会における動物実験計画の承認を得た後にマウス臼歯を回収し、歯の硬組織成分から、ストレスホルモンであるコルチコステロンが検出できるかを液体クロマトグラフィー・タンデム型質量分析(LC-MS/MS)法により解析した。各象牙質サンプル平均でおおよそ5 pgのコルチコステロンが検出されたことから、象牙質内にコルチコステロンが生理的に蓄積していることを見出した。現在は、幼若期ストレス負荷モデルであるearly life stress (ELS)法を用いて、マウスに幼若期ストレスを負荷する方法とそのストレス負荷評価法の確立を試みている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は、動物実験計画の学内承認を経て、象牙質からコルチコステロンが検出されることを明らかとしたことから、ストレス負荷と象牙質におけるストレスホルモンの蓄積に関する動物実験モデルを進めていく環境が整ったと考えており、今後の研究計画の進展が期待できるため。

今後の研究の推進方策

象牙質解析:ストレス負荷時に形成される象牙質を区分するため、あらかじめコルチコステロン投与および ELS 負荷開始・終了時にカルセインを腹腔内投与する。その後は通常飼育を行い、発育が完了する生後2カ月以降において、非脱灰硬組織凍結切片標本法(川本法)にて象牙質連続切片を作製する。カルセイン蛍光線により区分される象牙質をそれぞれレーザーマイクロダイセクションにより回収する。得られた各象牙質サンプルをEDTA溶液中で完全脱灰し、溶出ストレスホルモン量をELISA kitあるいはLC-MS/MSを用いて定量する。

次年度使用額が生じた理由

物実験計画の申請および承認に期間を要したため、2020年度に予定していた動物実験および関連する解析の一部を2021年度に行うこととなったため。

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi