本研究ではEGFR抗体(Cetuximab)に対してアミノ酸変異を導入する事で、ジスルフィド結合をIso-peptide結合に置換にする事で、大腸菌での発現を目指した。まず、Cetuximabの構造情報をProtein Data Bankより入手した。この構造より、light chainの配列を取り出し、アミノ酸配列から、大腸菌での発現を可能にする為にために、大腸菌での発現を困難にするレアコドンを取り除いたSynthetic construct cetuximab-Fab light chain geneといったDNA配列情報を作製した。そこに、ジスルフィド結合を置換し、さらに、Iso-peptideを形成出来るように、結合に持ちいる塩基性残基であるリジンおよび、中性残基であるアスパラギン、また触媒残基となりうる酸性残基のグルタミン酸及びアスパラギン酸の変異導入を計画した。具体的には、イソペプチド結合に置換する際に、分子同士の衝突が起こらず、Iso-peptide結合形成に必要となる、主鎖骨格間の距離が約6.0オングストロームを確保できる位置にあり、分子を導入した際に、結合形成残基であるリジンのアミノ基から触媒残基のグルタミン酸およびアスパラギン酸のカルボキシル基との距離が2.8オングストローム付近となるような部位をlight chain内で探索を行った。上記の方法にて部位の検討を行うと、Cetuximabの1つ目のβsheet及び、3つ目のβsheet間において、変異を行える場所があった。そこで、複数の発現パターンを検討しプラスミドであるpET-15にプライマーを接続し発現系の確立を行った。大腸菌の発現には制限酵素を5’側をNdeI、3’側をBamHIとし、プラスミドをpET-15bとして発現を行った。現在は、より収率を挙げられる発現系を実験中である
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