研究課題/領域番号 |
20K21679
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00225195)
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研究分担者 |
渡辺 亮 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (60506765)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60613156)
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 幹細胞性 / 老化 |
研究実績の概要 |
近年,加齢変化が引き起こす疾患群に共通するホストの本質的変化として,ステムセルエイジングが注目されている.我々は加齢に伴い間葉系幹細胞(MSCs)の免疫調節能が著明に低下すること,また,骨芽細胞分化能の低下と脂肪細胞分化傾向への転換により,脂肪髄を呈することを明らかにしてきた.その結果,傷害組織で休眠から覚める,もしくは新たに動員されるMSCsの機能が低下し,局所の組織修復能や免疫調節能が低下,加齢性疾患の罹患感受性が上昇すると考えられ る.したがって,骨髄MSCsの老化を防ぎ,幹細胞性が高いフラクションをいかに保つかが,これらの加齢性疾患におけるホストの病因の理解,さらには予防と治療に寄与するものと考えられる.そこで本研究は,骨髄MSCsの幹細胞性維持機構を解明することを目的に以下の実験を実施してきた. 昨年度は,MSCs幹細胞性維持に関わる因子の探索を目的に,ヒト骨髄MSCsとヒト皮膚線維芽細胞 (hADFs)から,RNAを抽出し,RNA-Seqにて網羅的に比較検討を行い,転写因子に焦点を絞り,データベースを構築し,関連遺伝子を抽出した.そして,抽出した転写因子の強制発現ベクターを作製し,iPS干渉法にてさらなる絞り込みを行った.2021年度は,抽出された転写因子をすべて,hADFsに強制発現させ,骨芽細胞へと分化誘導した.その結果,候補転写因子を遺伝子導入したhADFsは骨芽細胞へと分化することが可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RNA-seq解析を行い,間葉系幹細胞に特異的に発現している転写因子の抽出が完了した.また,抽出された転写因子をヒト皮膚線維芽細胞に強制発現させた結果,ヒト皮膚線維芽細胞が骨芽細胞への分化能を獲得したことを確認できており,本研究が概ね順調に進んでいると考える.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度にRNA-seqにて抽出された遺伝子を中心に,2022年度は,これらの遺伝子が間葉系幹細胞の幹細胞性維持にどのように関わっているのか,その制御メカニズムを明らかにし,間葉系幹細胞に必須な転写因子を同定する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
ロシア,ウクライナ情勢悪化のため,ヨーロッパから抗体等の試薬の輸入に問題が生じでおり,実験に必要な試薬の購入ができなかったため,また,コロナ問題から,予定していた国際学会等への参加を断念したため.次年度使用額が生じた. 次年度に試薬の購入および学会参加のための旅費等の費用に充当する.
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