研究課題
PRIP欠損の骨芽前駆細胞では、野生型より骨芽細胞分化能が高い。この性質を鑑みて、骨芽細胞分化マーカーであるAlkaline phosphatase(ALP)を利用して構築したスクリーニングシステムについて検討した。前年度、作製したALP-P2A(自己切断ペプチド)-GFP(Green Fluorescent Protein)ターゲティングコンストラクトをマウス頭蓋冠由来細胞株MC3T3-E1にノックインして得られたクローン (ALP/GFP細胞)の骨芽細胞分化程度がコントロールに比べて低かったため、クローン選別前段階の細胞ストックを用いて新たにクローンを選別した。それらのクローンについてALPを指標に骨芽細胞分化能を検討したが、前回と変わらない程度であった。同時に、再度新たに遺伝子導入およびクローン化を行ったが、ノックインの効率が悪く、選別したクローンはコンストラクトが正しくノックインされていないものがほとんどであった。よって、ALP-P2A-GFPコンストラクトの再構築を検討し、新たに薬剤耐性遺伝子を導入したコンストラクトを作製した。
4: 遅れている
新型コロナウイルスの感染状況により、時間短縮勤務や在宅勤務が増え大学への出勤自体がままならなくなり以前のペースで実験を行うことが困難となったため。また、PRIPの阻害剤探索に必要なALP-GFPノックインコンストラクトを遺伝子導入した細胞株における骨芽細胞分化能が低いため、再度クローンの取り直しや新たなコンストラクトを作製するなどしたため。
昨年度末にようやくコロナ禍が落ち着き始めたので、悪化しなければ次年度はある程度実験への時間が確保できると考えられる。新たなコンストラクトをもとにALP/GFP細胞の新たなクローンをできるだけ多く作製しそれらについて分化能を検討し、より適したクローンを抽出する。複数の適したクローンを走らせるなど、化合物のスクリーニングをできるだけ短期間で終えられるように工夫し、先に進める。
今年度は、コロナ禍による時間短縮勤務等で生じた実験遂行の遅れと、遅れを取り戻すため専門業者に細胞作製を委託したが、それが年度内に完了せず支払いが今年度中に出来なかったため、次年度使用額が生じた。自身の実験遂行の加速と業者への早急な完了を依頼し得られた細胞をもとに計画を進める。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
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