研究課題/領域番号 |
20K21682
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 喜久 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20192403)
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研究分担者 |
古田 美智子 九州大学, 歯学研究院, 講師 (20509591)
竹下 徹 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50546471)
須磨 紫乃 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70759365)
影山 伸哉 九州大学, 歯学研究院, 助教 (90822495)
朝川 美加李 九州大学, 歯学研究院, 助教 (90852583)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 口腔マイクロバイオーム / 次々世代ロングリードシーケンス / 全長16S rRNA遺伝 / 口腔dysbiosis / 高齢者 |
研究実績の概要 |
香川県まんのう町琴南地区の在宅高齢者についてはその後も解析を継続し、160名を対象として食事を妨げる諸要因とフレイルの関係を多変量ロジスティック回帰モデルで調べた。the Study of Osteoporotic Fractures (SOF) indexでフレイルを評価し、2項目以上が該当する場合をフレイルと定義した。その結果、対象者の26.9%がフレイルに該当した。フレイルをアウトカムとして解析した結果、歯数が20歯未満の者では、食欲の低下、孤食、食べる楽しみがないと活力低下となることが分かった。一方、20歯以上の者では、食事を妨げる諸要因とフレイルには関連が認められず、歯を多く保有すると栄養状態が維持されるため、関連しなかった可能性がある。しかし、少数歯の者では、フレイル予防のために食事妨げる要因に注意を払う必要があることが示唆された。 一方で、久山町研究結果から歯周病に関連する唾液細菌叢の特徴を4mm以上の歯周ポケットが0%の歯周組織が健康な者1,239名と50%以上の重症歯周病者136名を比較すると歯周組織が健康な者の唾液にはNeisseria flavescens、Porphyromonas pasteri、Veillonella rogosae、Haemophilus parainfluenzae、Lautropia mirabilisが有意に優勢であった。これらのほとんどは我々が過去に健康的な口腔細菌叢として定義したタイプ2の細菌叢に優勢な細菌種であった。また、LEfSe解析結果でも歯周組織が健康な者を特徴付けたのは主にタイプ2の細菌種であったが、歯周病患者ではタイプ1の細菌種よりもむしろ歯周病ポケット特異細菌種が唾液細菌叢を特徴付けていた。さらに、歯科医院を受診した重症歯周病患者35名と歯周組織が健康な25名を比較した結果でも久山町研究とほぼ同様な結果が得られた。
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