本研究の目的はエナメル質と同じ硬さをもつ3Dプリント冠の創製である。シリカナノ粒子を含有する3Dプリント用前駆体溶液を調製し、ステレオリソグラフィー方式の3Dプリンタを用いて前駆体溶液を積層造形した.得られた造形物を焼成し、レジンを含浸・加熱重合させることによってポリマー含浸セラミックスの3Dプリント冠を得た。新規材料の機械的性質を調べたところ、新規複合材料はエナメル質と同等のビッカース硬さと象牙質と同等の弾性係数を示した。また、物理化学的性質も口腔内で使用な値を示した。新規3Dプリント冠は歯冠修復物として有望であることが示唆された。
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