研究課題/領域番号 |
20K21691
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
吉田 貴彦 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90200998)
|
研究分担者 |
伊藤 俊弘 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20271760)
神田 浩路 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70628718)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
キーワード | アフリカ地域 / 疾病動向調査 / 感染症 / 生活習慣病 / 環境起因性疾患 / 健康リスク情報収集システム |
研究実績の概要 |
申請者の所属する機関が実施してきたJICA研修に参加した21ヵ国のアフリカ諸国からの地域行政に携わる担当者計132名に対して、インターネットを利用したメーリングリスト、Facebook、WhatsAppなどで連絡を取り、研究代表者らがあらたに、アフリカ諸国の住民の健康課題の動向および稼働中の疾病動向を把握するネットワーク情報を収集する事業を開始したことを知らせ、協力を得られるように連絡を取った。また、折しも2019年暮れに中国から始まった新型コロナウイルス感染症の発生を受けて、zoom会議システムを用いて10名ほどの過去研修員とをつなぎ新型コロナウイルス感染症についての情報交換を行った。 国際間の移動制限が行われたために、本年度のアフリカ訪問は断念し、ネット検索等によってアフリカ諸国で実施されている感染症を中心とした疾病サーベイランスシステムについての情報収集を行った。その結果、既存の感染症の発生状況、特にエボラ出血熱などの重篤な感染症の発生を早期にとらえるシステムはあるものの、未知の感染症の把握や、生活習慣病、環境要因に起因する疾病の把握を目的としたサーベイランスは殆ど存在しない事がわかった。 そのため、特定国のサーベイランスシステムについて、詳細な資料の提供を依頼したものの、本研究で研究調査に協力してもらう対象者が、それぞれの国の地方の保健行政担当者であるために業務が増えたこともあり、資料提供が得られにくく滞っている状況にある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年暮れに中国から始まった新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックにより、本研究調査の遂行に協力を依頼してもらう対象者が、それぞれの国の地方の保健行政担当実務者であることから業務量が増えたこともあり、調査協力を求めにくい状況に陥った。なおかつ、国際間の移動が制限されていうる上に、現地の保健行政に携わる者の業務の妨げになることが危惧されたので、現地を訪問しての研究業務は翌年に順延することとした。
|
今後の研究の推進方策 |
世界的な新型コロナウイルス感染症の状況を勘案しつつ、研究代表者らに調査協力可能な各国保健行政実務担当者に情報提供を依頼する。収集した情報をもとに、研究代表者らにとって未訪問の国を中心にアフリカ諸国を訪問し、まだ把握できていない国々の健康課題の把握と最新のニーズを調査したい。 また、一部の国で導入され始めた特定の伝染病等の感染症発生情報収集システムを改良する事で、高齢化に伴って増加する健康障害、地球温暖化や紫外線量の増加など気候変動に伴って変動する健康障害、環境汚染物質による中毒性疾患などの広い健康障害をも早期に捕らえることが可能な普遍的な健康リスク情報収集システムを構築することを目指す。新型コロナウイルス感染症の収束を強く願う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2019年暮れに中国から始まった新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックにより、本研究調査の遂行に協力を依頼してもらう対象者が、それぞれの国の地方の保健行政担当実務者であることから業務量が増えたこともあり、調査協力を求めにくい状況に陥った。なおかつ、国際間の移動が制限されていうる上に、現地の保健行政に携わる者の業務の妨げになることが危惧されたので、現地を訪問しての研究業務は翌年に順延することとした。 それに伴い、インターネット検索を中心にアフリカ諸国での、健康リスクに関する情報収集システムについての情報収集や、アフリカ諸国の研究支援者とのzoom会議等を行ったが、費用は発生しなかった。研究経費のほとんどが、現地に訪問した際の調査で発生する性格から、次年度に繰り越しとして研究を行う計画である。
|