研究課題/領域番号 |
20K21691
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
吉田 貴彦 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90200998)
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研究分担者 |
伊藤 俊弘 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20271760)
神田 浩路 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70628718)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 健康障害 / 感染症 / 生活習慣病 / 環境起因性健康障害 / サーベイランズ / アフリカ諸国 |
研究実績の概要 |
発展途上国等では新興感染症等の流行に加えて、徐々に進行しつつある慢性疾患に属する生活習慣病の蔓延、さらに過度かつ対策が不十分なままでの開発に起因する環境汚染による中毒性の疾患や地球温暖化に関連した健康障害などが重複して起こるなど、国民の健康状況を適切に把握する必要性が高まっている。 そこで、研究者らが現地の地域保健担当者と連携を取りやすいアフリカ諸国において稼働している疾病動向を把握するサーベイランスシステムについての情報を収集し、ユニバーサルに対応できる一括して国民の健康状態を把握できるシステムの開発に結び付けることを目的に研究を開始している。 しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受けて、アフリカ渡航、また帰国時の水際対策の強化から、アフリカ諸国での調査ができない状況が続いている。そのため、調査の参考となる書籍購入や情報収集のための学会参加を行いつつ、インターネットを介しての各国の疾病発生状況収集システムについて検索を行って情報収集を行った。 ガーナ、ナイジェリア、ケニア、南アフリカなどについて情報が得られたが、感染症について病名ないし症状毎の発生数の報告がある事にとどまっており、他の慢性疾患や環境変化に起因する健康障害の発生の検出や推移の変化を把握する体制が出来ていないことが分かった。グルーバルに国民の健康レベルに関する情報収集をおこなえるサーベイランスシステムの構築が必要であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年暮れに発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受けて、2020年は全く予想がつかない事から研究開始を1年順延し、2021年に備えた。しかし、アフリカ渡航、また帰国時の水際対策の強化から、アフリカ諸国での調査ができない状況が続いている。そのため、インターネットを介しての各国の疾病発生状況収集システムについて検索、さらに、一部の国において連絡がつく現地共同研究者からの情報提供を得て、本研究の目的達成に向けた取組を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症のウイルスの弱毒性への変化、ワクチンの普及、ウイルスに対する知見が集積したことで、各国への入国、日本への帰国の際の隔離等の条件が緩和されてきたことから、研究者が連絡を取れるアフリカの保健行政にかかわる研究協力者の居る国への訪問により詳細な健康情報収集システムの実運用について情報収集することを目指す予定である。そのうえで、論文化を図りたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度においては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行が収まらず、日本においても入国時の水際対策が強化されたままで、アフリカ諸国間の移動、帰国にそれそれ1-2週間の隔離が必要となるなど、渡航による情報収集が困難となったために、一度も海外出張を行うことが出来なかった。そのため、新型コロナウイルス感染症がやや落ちづきを見せている2022年度において効率良くアフリカ諸国を訪問し、現地にある健康サーベイランスシステムの情報収集とフィールド現場での情報収集について観察することを目指す。
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