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2020 年度 実施状況報告書

可視化された感情データの夫婦間共有による相互理解と乳児への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K21695
研究機関東北大学

研究代表者

中村 康香  東北大学, 医学系研究科, 准教授 (10332941)

研究分担者 川尻 舞衣子  東北大学, 医学系研究科, 助教 (70815852)
吉沢 豊予子  東北大学, 医学系研究科, 教授 (80281252)
笠原 好之  東北大学, 医学系研究科, 講師 (20511835)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワード心拍同調 / 愛着 / 親役割 / 夫婦
研究実績の概要

今年度は、研究目的にある妊娠期における母児を対象として、心拍データを用いた感情や同調の検証に向けたデータ測定を行った。COVID-19の影響により、研究対象者のリクルートおよびデータ測定の開始時期の遅延はあったものの、開始後はスムーズに進み、現在までに予定症例数は全70例のうちの9割程が終了したところである。
母子2者間の心拍変動は、本学で開発された腹壁誘導胎児心電図(アイリスモニタ)を用いて、妊娠24~26週、30~32週、36~38週の3時点における妊婦と胎児の心電図を縦断的に測定した。同時に、妊婦の心理的状態の客観的指標を得るために唾液検体を採取し、胎児への愛着やストレスに関連する内分泌ホルモン(オキシトシン、コルチゾル、アミラーゼ)の値を測定した。妊婦と胎児の心電図データは随時、R波とR波のピークを抽出してRRI(R-R Interval)を確定するための下処理を行い、その過程を経たものから時系列解析・周波数解析を進めている。また、各ホルモン値は一定数確保できた段階で解析を外部委託し、得られた値より、妊娠経過における変化や個人内・個人間変動などを検討している。
今後は、母児の心拍変動の同調や交感神経系の評価を行った上で、妊婦の心理的状態のホルモン値の評価も併せて総合的に解析しながら母児の相互作用について検証する予定である。さらに産後を見通して、妊娠期の母児だけの関係にとどまらず、夫も含めた夫婦間の感情における追究を進める。そしてこの妊娠期の評価方法を基盤として、産後は新生児を含めた3者の相互作用・感情理解を検証し、家族が抱える様々なストレスや負担の理解、軽減され夫婦がともに育児に取り組めるための支援について検証したいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

基礎研究として心拍データを用いた感情や同調の顕彰に向けたデータ測定を行っているが、COVID-19の影響により臨床でのデータ収集が遅延したこと、また胎児が動くことにより胎児心電図のノイズが生じ有効データの確保がやや困難となっている。

今後の研究の推進方策

心拍データだけでなく、愛着やストレスに関連する内分泌ホルモン(オキシトシン、コルチゾル、アミラーゼを収集し補完すること。また心拍データと感情の可視化だけにとどまらず、心拍データによる父子間の同調の程度を明らかにすることを試みるなど、様々な方面より実現可能性を探索する。

次年度使用額が生じた理由

ウエアラブルディバイスの発達により、当初計画していたデバイスが不適当となり、新たなものを検討中であること、またCOVID-19による研究実施の遅延・変更を伴い、基礎研究として心理的状態のホルモン値の収集を行っているため。次年度以降は新たなデバイスの購入、心拍変動分析ツールの購入を計画する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 母児の愛着形成に関する研究

    • URL

      http://www.womens.med.tohoku.ac.jp/research/affection/index.html

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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