近年、新型コロナウイルスを好例にチクングニア熱やデング熱といった蚊媒介性RNAウイルスによる感染流行地域が拡大するなど、世界的に新興RNAウイルス感染症の脅威が急速に高まっている。本研究は、そうした新興感染症に対して、超小型の核酸配列分析装置MinIONを利用することによって、病原体を迅速に鑑別できる診断法の開発を目的にしている。機を一にして2019年以降、チクングニア熱、デング熱(前2つはアフリカ)、そしてCOVID-19と3種のRNAウイルス感染症が相次いで発生した。ここでは、本装置の使用を含めて、どのようにこれらの感染症に対応したかを報告している。
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