研究課題/領域番号 |
20K21701
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (2022-2023) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
上別府 圭子 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (70337856)
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研究分担者 |
春名 めぐみ 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (00332601)
藤井 知行 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (40209010)
大須賀 穣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80260496)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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キーワード | pregnant cancer / family / shared decision-making |
研究成果の概要 |
育児期がん患者会の運営者へのヒヤリングと文献検討により、以下の結果を得た。患者は告知を受けた瞬間から死の恐怖を抱き、「子どもが成人するまで生きられるだろうか」という不安などのために、平常心で生活を送ることは困難であった。多くが精神的サポートを望んでいたが、サポートを得られた者は少なかった。家族も、不安・疲弊・経済的な心配などから不安定になったり、病状に向き合えないために、夫婦関係に溝が生まれ、患者が一層孤独に陥ることもある。この状況を防ぐためには、告知と同時に、家族関係のどんなことでも、専門家チームが相談にのることや、患者会の紹介を行っておくことが重要で、この流れで共同意思決定が可能となる。
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自由記述の分野 |
家族形成期にある親や子どもががんにり患したときの家族の看護
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊娠期がんは、従来、治療開始か妊娠継続かの2択で対応されてきた。両立の可能性を提示することは日本でも広がっているものの、患者家族の意思決定支援に関しては、未だ難しい現状がある。各家族成員の葛藤は大きく、患者家族内で意見の相違が生じることも稀ではない。患者の命や胎児の命に関わる重大な意思決定を、限られた時間のうちにしなければならないことは、家族にとって過酷な課題である。今回の知見では予想以上に家族に対する破壊力が大きく、これでは共同意思決定もままならない。患者家族が、それぞれの不安や恐怖を緩和して病状に向き合い、治療と子育てを両立するために必要な支援について検討する足掛かりを得た意義は大きい。
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