研究課題
ヒトの主要組織適合遺伝子複合体(HLA)領域はヒトゲノムの中で最も多型性に富み、多くの疾患や形質と関連するゲノム領域である。HLA領域は3.8Mbほどと小さい領域であるが、241もの遺伝子が含まれる遺伝子密度が高い領域であり、これまでゲノムワイド関連解析(GWAS)により、HLA領域には522の疾患や形質について 3,043もの関連一塩基多型(SNP)が951の論文として報告されている。これら関連SNPで遺伝子情報と結び付けられたもののうちの半数が機能的なHLA遺伝子との関連として報告されている。ところが、これらの結果についてHLA領域で拡大すると、SNPが設定されていないゲノムの空白領域が多く認められ、より詳細に解析するにはHLA領域に特化したアプローチが必要とされている。本研究ではヒトの疾患や形質において重要な遺伝要因であるHLA領域について、コホート研究をモデルとし、疾患発症予測など個別化医療における高精度HLAタイピングの有益性を検証することを目的とした。本研究を達成するための研究方法は、NGSよる高解像度HLAタイピングを実施し、質的および量的な3種類のHLAタイピング結果を含む統合HLAタイピング情報を取得すること、ならびにこの統合HLAタイピング情報157項 目の形質情報によるフェノムワイド関連解析である。HLA遺伝子について、統合したスコアによる解析という、より機能的な特徴に基づく関連解析を本研究では 実施する。この解析手法の有効性が示されれば、個別化医療の実現に有効なアプローチとなる。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
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