本研究が対象としたゲノムコホート研究は住民の生体サンプルを健診データと共に収集し、既往歴、生化学検査、免疫血清検査、尿検査、血液検査、食事内容など、157項目の形質情報について今後も継続して追跡調査が実施される。このコホート研究においてHLA遺伝子情報を収集したことで、今後の疾患発症のリスクを評価することができ、個人のゲノム情報を医療に活用するモデル集団としての価値を高めることができた。特に花粉症の形質については花粉の種類などによるHLA遺伝子型によるリスクの違いも認められ、詳細な形質情報の収集がHLA遺伝子情報に基づく個別化医療の実現には必要な情報であることが明らかとなった。
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