研究課題/領域番号 |
20K21712
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
折山 早苗 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (20457203)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 12時間勤務シフト / 16時間夜勤 / 疲労 / 眠気 / ワーク・ライフ・バランス / 看護師 |
研究実績の概要 |
本研究は、看護師の交代制勤務の16時間夜勤から13時間以内の夜勤への移行を阻む課題を探索的研究により明らかにし、新たなシフト勤務を構築するために、次の研究を実施する。①16時間夜勤から12時間勤務シフトに移行できなかった看護師を対象とした12時間勤務シフトの課題を「生活面」「安全面」「健康面」から検証。②12時間勤務シフトの疲労の解明。③13時間以内の夜勤への移行を促進するための方策の考案。3点を実施することで、13時間以内の夜勤への移行を促進する新たな方策を確立する。 本年度は、昨年度に実施したインタビュー内容をテキストマイニングより分析し、12時間シフトを阻む因子を解明した。12時間シフトの12時間日勤に対しては、「日勤の時間がすごく長かったので、しんどかった」「日勤帯が終わるとストレスと疲労感が続くという感じ」「勤務時間が長いので、身体的にはしんどかった」が最も多かった。さらに、12時間夜勤に対しては、「12時間夜勤中は、休憩もとれた」「夜勤後の身体の疲れが少ない」「疲労感や眠気は感じなかった」が抽出された。一方、16時間夜勤は「夜勤から帰ってきた日はしんどい」「次の日は、まあまあ、元気」「夕食時は夜勤の一つの忙しい山場」が抽出された。理想的な勤務としては、「勤務時間が短く、夜勤明けの翌日は休み」「日勤は8時間くらいで夜勤は12時間とか短くなればいい」が抽出され、新たな勤務システム構築への示唆が得られた。また、対象者8人の内、12時間シフトを続けたかった1人、続けたくなかった4人、どちらでも良かったは3人であった。今後、対象者の理由や背景をさらに詳細に分析することで、13時間以内の夜勤への移行の促進要因ならびに阻害要因を明らかにする必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究①はほぼ年度内にインタビューの詳細な分析を終えたが、COVID-19パンデミックの影響で、研究②の準備に時間を要し、研究開始が予定より遅くなった。
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今後の研究の推進方策 |
研究①の結果を踏まえ、研究②の12時間勤務における疲労状態を先行文献ならびに臨床にてデータを収集する。さらに研究①ならびに研究②の分析結果が揃い次第、他のエビデンスも収集し、研究③の新たな勤務シフトを作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はCOVID-19パンデミックの影響で、勤務時の疲労に関してデータ収集ができなかったため、余剰金が発生した。繰越研究費は、勤務時の疲労のデータ収集および英語論文執筆のための英文校正費、国内外の研究発表のための学会参加費や交通費に充当する予定である。
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