研究分担者 |
畠山 豊 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (00376956)
片岡 浩巳 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (80398049)
久原 太助 高知大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (80457407)
堀野 太郎 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (90448382)
|
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、「欠測は医師が患者の臨床症状など事前の情報から検査の異常は無いと推測した結果」という仮定を設定、より検証しやすい「欠測群の検査陽性率は低い」という命題が成り立っているか、勾配ブースティング決定木(GBDT)による2クラス分類の予測モデルを用いて、蛋白泳動は測定されたが生化学・血液検査に欠測がある場合の検査値を推定し、欠測検査の推定陽性率と評価データの実測陽性率を比較検定した。 さらに各検査項目の陽性・陰性の閾値を変化させて陽性率の変化を調べた。対象とした血液検査は、CRP,WBC,HbA1c,D-Bill,γGT,BUN、リウマチ因子(RF)、補体蛋白 (C3) 、補体蛋白 (C4)、KL-6 (CLEIA) 、フェリチン(ECLIA)、甲状腺刺激ホルモン TSH (ECLIA)、CA19-9(ECLIA)、遊離トリヨードサイロニン F-T3(ECLIA)、遊離サイロキシン F-T4(ECLIA)、抗SS-A/Ro抗体 定量、癌胎児性抗原CEA(ECL)、FDP-Dダイマー定量である。その結果、BUN, CRP, γGT, 白血球数(これらはルーチン検査)、F-T3,F-T4,CEAについては、両群の陽性率に有意な差は見られなかったが、その他の検査については欠測群の陽性率の方が小さく、統計的にも有意であった。 陽性閾値の変化と陽性率の変化については、CRP,γGT以外は、閾値をより異常な値の方にずらすことにより、実測群、欠測群の両群とも陽性率は減少した。両群の比較では欠測群の陽性率の方が低くなる傾向が見られ、欠測群の検査値の分布が実測群の検査値の分布に比べて、全体としてより正常な方向にずれていることを示唆している。 このことにより、Real-World Dataによって「欠測群の検査陽性率は低い。」という仮定の正しさが示されたと考える。
|