研究課題/領域番号 |
20K21718
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
光武 範吏 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50404215)
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研究分担者 |
鈴木 啓司 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (00196809)
荻 朋男 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80508317)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 放射線 / ゲノム |
研究成果の概要 |
ショートリードとロングリードを用いた次世代シークエンシングより、ヒト正常細胞における放射線被ばくによるゲノム変異として、以下の特徴が明らかになった。1 )様々なサイズの欠失が線量依存性に増加した。2) 高線量では、非常に長大な欠失(数十万からメガベース以上)が生じた。3) 欠失の両断端にホモロジー配列がないものが多かった。また、高線量では断端結合部に別の配列を含むものが多かった。4) 一塩基置換も増加したが、線量依存性はなかった。5) 一塩基置換には、酸化損傷を示唆する変異シグネチャーが含まれていた。ただし、放射線被ばくに完全に特異的な変異の同定には至らなかった。
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自由記述の分野 |
放射線影響学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNA配列決定法の技術的な進歩により、DNAの配列変化をゲノムワイドに調べることが可能となってきた。放射線被ばくは、発がんリスクを上昇させることは疫学的に明らかであり、放射線によるゲノム変異がその誘因であると考えられている。本研究において、ヒト正常培養細胞で、放射線によって生じるゲノム変異の特徴の多くが詳細に明らかになった。これらの異常が、発癌の第一歩となる可能性が高い。本研究成果は、放射線による生物学的影響、遺伝子異常、発癌などの他の研究にも活かせる基盤的データとなると思われる。
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