研究課題
「パンデミックインフルエンザが何故これまで特定の亜型に限定されるのか」、「高病原性インフルエンザウイルスは本当にパンデミック化するのか」という問いに対する科学的根拠は極めて乏しい。本研究では、適応変異が起こったアミノ酸位をパンデミック前に戻した季節性ウイルス(H1N1/H3N2)リバータントウイルスを作成して、感染性と伝播性の変化特性を明らかにすることで、高病原性ウイルスで確認された代償性変化が過去のパンデミックウイルスで存在したのか比較・検証する。本年度は、新たにNA遺伝子にも着目して変異代償がNA機能またはHA-NA機能バランスにおいて代償性変化を伴うのか解析した。その結果、NA変異導入H5N1ウイルス群を用いた解析においては、NA変異導入によってシアリダーゼ活性が低下していることを示すデータが得られた。一方でH5N1ウイルス感染患者の多くがNA阻害剤(オセルタミビルなど)による治療を受けているため、この変化が宿主適応によるものかNA阻害剤に対するエスケープによるものなのか判別が必要と考えられた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)
iScience
巻: 26(1) ページ: 105742
10.1016/j.isci.2022.105742
Communications Biology
巻: 5(1) ページ: 1188
10.1038/s42003-022-04170-6
https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2022/20221209.html
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20221209-2534081/2