研究課題/領域番号 |
20K21728
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
堀内 成子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70157056)
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研究分担者 |
大久保 菜穂子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (80317495)
島津 明人 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (80318724)
岡田 明子 (蛭田明子) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (80584440)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 喪失 / 看護師 / 助産師 / グリーフケア / メンタルヘルス |
研究実績の概要 |
流産・死産・新生児死亡により周産期に予期せず子どもを失った女性とその家族の悲しみは計り知れず、看護職による十分なグリーフケアが求められる。一方、グリーフケアを担う看護職は十分な支援を受けられておらず、グリーフケアに自信がなく、組織からの支援も不足といわれている。我が国の病院・診療所に勤務する助産師681名の調査では、84%の助産師が心的外傷体験を経験し、その第一要因は予測しない急変や子どもの死であり、その後の離職意向は15%に認められた。すなわち、周産期喪失のケアで看護者は共感疲労(緊張状態と患者のことが頭から離れない状態)に陥りやすく、看護職への特別な支援は焦眉の急を要する。過去10年で10倍に増加した過労自殺を予防するためには、人間関係のいい職場つくり、レジリエンス(回復力)強化が不可欠であり、その意味でも本件は喫緊の課題である。周産期グリーフケアの支援には、専門的な周産期グリーフケア研修のみならず、回復力を高める看護職リトリート・プログラムの導入が必要であると考えた。 本研究の目的は、周産期グリーフケア研修に加えて、看護職にリトリート・プログラムを導入し、流産・死産・新生児喪失の家族の新たな絆をつむぐグリーフケアを実装し、実装アウトカム(ケア実施数・忠実度・受容度)およびサービスアウトカム(ケア満足度・適時性・看護職メンタルヘルス等)を評価することである。 本年度は、研修プログラムの内容を計画し、特に研修で用いる教材を準備した。科研費「課題番号:17390587」(基盤研究B)、「死産を経験した家族の出会いと別れを支えるグリーフケアの開発」において作成した「悲しみのそばで」の改訂版を作成し、教育内容の選定、評価尺度の選定と吟味(共感疲労の尺度、周産期喪失に関わる看護師の自信尺度)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研修プログラムがほぼ完成し、用いる尺度もほぼ選定でき、研究倫理審査へ提出する研究計画書の下書きが出来上がっている為。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度5月には、研究倫理審査に研究計画書を提出し、COVID-19禍においても実施できるようなリトリート研修の実施と評価を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19による感染流行の為、国際学会や国内学会において情報収集を予定していたがWeb開催となったため、旅費を使うことがなかった。
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備考 |
科研費(2005年から2007年)研究種目:基盤研究(B)課題番号:17390587、研究課題名:「死産を経験した家族の出会いと別れを支えるグリーフケアの開発」において作成した小冊子「悲しみのそばで」-周産期に赤ちゃんを亡くしたご家族へ- を全面改訂した。改訂版開発製作者:堀内成子、太田尚子、石井慶子、蛭田明子、千葉真希
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