研究課題/領域番号 |
20K21729
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
中山 和弘 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50222170)
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研究分担者 |
米倉 佑貴 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50583845)
大坂 和可子 慶應義塾大学, 看護医療学部(信濃町), 准教授 (70322344)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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キーワード | 意思決定支援 / ディシジョンエイド / 意思決定支援ガイド / ヘルスコミュニケーション / 患者中心の医療 |
研究実績の概要 |
昨年度までに作成した「わかりやすい意思決定ガイド」のチェックリスト項目を活用し、日本に住む20-60代の薬物治療中の人を対象とし、web質問紙による横断的オンライン調査を実施した。項目の中から数値的なベネフィット・リスク情報に関する項目を使用し、シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)のステップに基づく、新た治療選択のシナリオを用いて実施し、対象者は状況を想定しながら回答する形式とした。主要評価項目である「意思決定参加の意向」は、Decisional conflict scaleの下位尺度2項目:「情報を得ている」「価値観の明確化」に関して、医療者と話し合う意向を尋ねた。その他、選択肢とそれに伴うベネフィット・リスク情報に対する「情報を得る意向」、「わかりやすさを感じる上で重要な要素」、「好みの情報提示方法(文章・表・棒グラフ・ピクトグラフの中から好みのものを複数回答)」、「情報の説明を希望する医療者(医師、看護師、薬剤師の中から希望の職種を複数回答)」などであった。得られた有効回答1046名のうち、不良回答を除いた941名の分析を行った。結果、現在の治療選択におけるSDM-Q-9のスコアでは、37%の患者が選択肢を提供されず、選択肢を提供された場合でも25.6%の人がリスクとベネフィットについて、十分な情報提供がなかった。SDM経験が乏しい人にとって、わかりやすい好みの提示方法と希望する多職種の説明は、SDM参加を支援する方策の1つであることが示唆された。 また、「わかりやすい意思決定ガイド」のチェックリストは、意思決定ガイド開発者および医療情報に関する有識者とのチェックリスト洗練に関する協議し、協議結果踏まえて意思決定ガイドの理論枠組みとの整合を検討、意思決定ガイドの国際的質基準(IPDASi)に基づきチェックリスト項目を分類した。
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