タンパク質摂取量は創傷治癒と密接な関連があるため、創部の滲出液を用いてタンパク質栄養のマーカーとなる分子の同定を行った。その結果、低タンパク質栄養状態の創傷モデルラットでは滲出液におけるAdiponectin濃度の増加が認められた。低タンパク質栄養状態のラットにタンパク質を再給餌すると体重及び血中のタンパク質栄養マーカーであるRetinol-binding protein(RBP)4に変化は認められなかったが、滲出液中のAdiponectin濃度は低下傾向を認めた。このことから、体重及び血中RBP4に比べ、滲出液中のAdiponectinは鋭敏な栄養マーカーとなり得る可能性が示唆された。
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