| 研究課題/領域番号 |
20K21735
|
|---|
| 研究機関 | 日本大学 |
|---|
研究代表者 |
平井 宗一 日本大学, 医学部, 教授 (70516054)
|
|---|
| 研究分担者 |
大塚 俊 愛知医科大学, 医学部, 助教 (00879504)
河田 晋一 東京医科大学, 医学部, 助教 (00527955)
畑山 直之 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (80534792)
林 省吾 東海大学, 医学部, 教授 (60349496)
梅本 佳納榮 愛知医科大学, 医学部, 助教 (80824945)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
| キーワード | 肉眼解剖 |
|---|
| 研究実績の概要 |
Urea[(NH2)2CO]とホルムアルデヒドのScavenge反応を応用することで、解剖体から揮発するホルムアルデヒドを抑制し、人体への曝露を軽減することを立証している。またその過程において、ホルムアルデヒド処置された解剖体がUreaによるscavenge(除去)効果にて、ホルムアルデヒドを用いたご遺体を活用した研究およびサージカルトレーニングにおけるデメリットとされている組織の硬化について、尿素処置を行なうことで、硬度が減少し、研究等を行なう上で有効性があることが示唆された。本研究は、利用目的ごとに処置方法を変えるのではなく、ホルムアルデヒド処置を施し保管されている解剖体に対して、ホルムアルデヒドを尿素にてScavengeする追加処置を施すことで、解剖体を利用目的に応じた至適状態にするという革新的な解剖体の管理運用システムの構築を目指している。昨年度は、ホルムアルデヒドにて処置された組織を、Ureaの処置を行うことで、組織内のホルムアルデヒドが軽減することを立証した。さらに、Urea処置による硬度を引張試験を用いて検証を行なった。また、臨床医によるアンケート調査を行い、血管や皮膚の縫合にて、ホルムアルデヒドのみの処置と比較して、ホルムアルデヒド処置後尿素処置をアンケート前に行なった群では、明らかに生体に近く、トレーニングに有用であるという結果を得た。さらに、ご遺体搬入時に、サージカルトレーニングおよび研究用のご遺体のみ処置法を変える既存の方法と比較して、ご遺体の管理が簡便であるとの報告を受けている。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに、ホルムアルデヒド処置後のご遺体を尿素処置し、サージカルトレーニングにて、その有用性を検証している。また、客観的な測定による検証を行なう実験が遂行できている。さらに、愛知医科大学、東京医科大学、日本大学と複数での施設による検証を始めることが出来ている。
|
| 今後の研究の推進方策 |
本研究で、検証をおこなっているホルムアルデヒド処置後のご遺体を尿素処置を複数施設で行い、その技術的な可能性を検証すると同時に、サージカルトレーニングにて有効性を立証していく予定である。特に、異なる施設で、異なる実習室においても有用であることを検証することが重要となる。各大学と連携し、研究を遂行する予定である。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
挑戦的研究（萌芽）を遂行するために、動物飼育環境を整備するため、追加の費用が必要となり、アイソラック（＊１）を購入予定としておりました。しかしながら、同一動物室に、異なる感染レベルの実験動物を飼育することに対して、再検討するようにアドバイスを頂きました。そのため、予定を変更し、別の実験室にて、一時的に実験動物を飼育するための設備（＊２）を入れることにいたしました。以下に示す通り、購入金額が減少したこともあり、次年度に使用を持ち越しました。持ち越した費用につきましては、各条件のサンプル数を増加するために必要な消耗品に使用する予定にしております。
＊１：アイソラック、アイ・シー・エム 1,222,650円
＊２：ポータブルヒュームフード ファンユニット S型（67,320円）、 HEPAフィルターユニット 3-4056-41（37,422円）、ファンベースドラフトCD-700用 1035＊0（5,940円） 合計 110,682円
|
