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2021 年度 実施状況報告書

DNAメチル化修飾を標的にした肥満治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K21745
研究機関群馬大学

研究代表者

河野 大輔  群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (10382904)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワードチロシン水酸化酵素 / DNAメチル化 / エピゲノム編集
研究実績の概要

本研究課題では、チロシン水酸化酵素(Th)遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化修飾をエピゲノム編集により操作し、Th遺伝子の発現やドーパミン合成のされやすさを人為的に調節することを試みている。
細胞レベルの検討として、ラット胎児由来のドーパミンニューロンの培養細胞であるN27細胞を用いてTh遺伝子プロモーター領域のエピゲノム編集を試みた。LipofectamineによりDNA脱メチル化誘導ベクターのpPlatTETとガイドRNAを導入し、二日後に細胞を回収した。その後、ゲノムDNAを抽出し、バイサルファイト処理後にメチル化特異的PCRによりDNAメチル化修飾レベルの定量を行った。現状では、有意なDNAメチル化修飾の変化を誘導することはできなかった。遺伝子導入効率が十分に高くないことに加え、細胞の増殖速度が非常に速いことにより、遺伝子導入された細胞の割合がかなり低くなってしまったことがDNAメチル化修飾の変化を誘導できなかったことの原因であると考えている。細胞株の変更や導入方法の変更や改良をする予定である。また、今回はガイドを一種類のみ導入したが、ある程度広い領域のDNAメチル化修飾を操作するためには複数種類のガイドRNAを導入する必要がある可能性がある。
また、マウスの脳へのエピゲノム編集の導入を目指して、複数の導入方法について準備や検討を行っている。
エピゲノム編集は最新の技術であり、現状では導入が容易ではない側面がある。しかしながら、ゲノム領域レベルでのDNAメチル化修飾の操作は大きな可能性を持っており、ドーパミンの合成のされやすさを調整できれば食欲や肥満の治療につながる可能性がある。今後、さらなる改良をして研究課題を実現させたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在、様々な方法や条件を試しているところであるが、細胞レベル、個体レベルでのエピゲノム編集システムの導入に時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

細胞レベルでの検討については、細胞株の変更や遺伝子導入方法の変更、実験条件の変更、導入細胞の選択などにより遺伝子導入効率を高める。そして、遺伝子導入された細胞を用いて、DNAメチル化修飾レベルの検討やTh発現レベル、ドーパミン合成レベルを検討する。
さらに、マウスの脳内への導入のための方法の検討を行い、導入が可能になり次第、摂食行動などの行動実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額は少額であり、実際には、ほぼ今年度の予算は使い切ってある。次年度も研究は継続予定であり、消耗品の購入などに有効に使う予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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