研究課題
代謝遺伝子の発現を調節するBRD4の老齢ヘテロ欠損マウスの体重、握力、臓器重量(肝臓、副睾丸脂肪、腓腹筋、ヒラメ筋、前脛骨筋)は、Wild typeマウスと比較して顕著に低く、サルコペニアマウスとして使用できる可能性が示唆された。次に、Brd4ヘテロ欠損マウスに代謝を改善しうる中鎖脂肪を投与した。まずは、炭素数8のカプリル酸を多く含むC8中鎖脂肪食を、約5ヶ月間自由摂食させた。その結果、Brd4ヘテロ欠損マウスへのC8中鎖脂肪食の投与は、体重低下を誘導せず、腓腹筋において解糖系の副路、クエン酸回路、脂肪滴分解、活性酸素種除去に関与する遺伝子の発現増大や筋サテライト細胞からの筋再生に関与するMyh3の発現増大を誘導することが明らかとなった。ヒラメ筋では、C8中鎖脂肪食の投与により筋分解に関与するAtrogin1およびMurf1の発現低下やタンパク合成関連遺伝子(Rpl32、Rps21など)の発現増大が見られた。炭素数10のカプリル酸を多く含むC10中鎖脂肪食を投与した時もC8中鎖脂肪食と同様の結果が得られた。本研究では、山梨県の長寿要因を探る研究を実施し、健康長寿高齢者において、歩数の低下と無呼吸症候群、身長と日常生活動作との相関が明らかとなった。Brd4ヘテロ欠損マウスは、出生時に低体長で生まれ、運動機能が低く、さらに高齢期に老人性円背になるといった成果が得られており、人研究の成果と類似する。以上によりBrd4ヘテロ欠損マウスは、人と類似したサルコペニア症状を示し、食餌による改善が可能なモデルであることが明らかとなった。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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