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2020 年度 実施状況報告書

リハビリテーション意欲を高めるための体系的介入プログラムの開発とその効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K21752
研究機関浜松医科大学

研究代表者

田中 悟志  浜松医科大学, 医学部, 教授 (10545867)

研究分担者 小宅 一彰  信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (90803289)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワードリハビリテーション / 心理学 / 教育工学 / 動機づけ / 脳卒中
研究実績の概要

有酸素運動や麻痺手の強制使用など脳卒中リハビリテーションで有効性が認められている治療法の多くは,患者に多大な努力を要求する。よって,セラピストには患者をうまく動機づけ,やる気をださせるためのスキルが必要である。しかしながら,動機づけの方法は個々のセラピストの経験やセンスに任せられており,また学術研究では「褒めると運動成績が上がる」など意欲に影響を与える個々の要因が研究され始めたに過ぎない。本研究の目的は,脳卒中患者の意欲を高める新しい体系的な介入プログラムを開発し,その効果を検証することである。2020年度の研究について、申請段階で2020年度に実施予定であったデルファイ研究については、すでに交付内定が決定する前に完了していた。したがって、予定を前倒し(1)10年以上のリハビリテーション臨床経験をもつ熟練医療者を対象とした動機づけに関する構造化面接を実施し、それを完了した。なお、新型コロナウイルス蔓延の影響により、遠隔での面接を実施した。今後データ分析を行い、熟練医療者が患者のどのような特性に基づいて動機づけ方略を決定しているかを明らかにする。また、(2)開発した介入プログラムの洗練化のためのフィージビリティ研究を開始した。上肢運動機能障害を持つ患者を対象とした研究を開始したが、新型コロナウイルス蔓延の影響により、当初の予定よりもデータ取得のペースは遅れているのが現状である。これにより、評価-介入プロセスなど介入プログラム全体の洗練化を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの影響により上肢運動機能を持つ患者に対するフィージビリティ介入研究は当初の予定よりもやや遅れたものの、動機づけ方略に関するアンケート調査、面談調査は遠隔技術を利用し、予定よりも早く進展している。

今後の研究の推進方策

今年度は以下の3つの研究について取り組む予定である。
1)昨年度実施した10年以上のリハビリテーション臨床経験をもつ熟練医療者を対象とした動機づけに関する構造化面接のデータを分析し、熟練医療者が患者のどのような特性に基づいて動機づけ方略を決定しているかを明らかにする。
2)昨年度取り組んだ上肢運動機能障害を持つ患者を対象とした動機づけ介入のフィージビリティ研究を継続して実施する。これにより、評価-介入プロセスなど介入プログラム全体の洗練化を行う。
3)これまで患者のやる気を高める方略に関して医療者側のデータを取得してきた。しかしながら、患者中心医療のためには、患者自身の意見や考えを踏まえる必要がある。そこで本年度は、(1)どのような方法や状況でリハビリテーションに対するやる気が高まると患者自身が考えているか、また、医療者側のデータも更に取得し、患者と医療者のやる気を高める方法に関する考えのギャップの有無の2点について明らかにする調査を開始する。まず、対象予定施設の長に対して「質問紙調査へのご協力のお願い」を配布し、許可を得た施設の患者を対象とする。次に、対象予定施設の患者に関して、入院中の脳卒中・神経疾患患者、整形疾患患者から連続サンプリングをおこない、対象者を抽出する。患者に研究に関する説明文書を読んでいただき、研究参加に対する同意を得る。どのような方法や状況でリハビリテーションに対するやる気が高まるかについて、事前に作成した動機づけリストの中から5件法で選択するアンケート調査を患者に実施する。セラピストも同様のアンケートを実施する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス蔓延の影響により、当初計画していた実験実施、研究打ち合わせ、成果発表のための旅費をほとんど支出することがなく、主にこれが理由により次年度使用額が生じた。今後の使用計画として、実験実施、研究打ち合わせ、成果発表のための旅費として使用し、また調査協力のための謝金として使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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