研究課題/領域番号 |
20K21752
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
田中 悟志 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10545867)
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研究分担者 |
小宅 一彰 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (90803289)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 心理学 / 行動科学 / 動機づけ / 患者中心医療 / 脳卒中 |
研究実績の概要 |
有酸素運動や麻痺手の強制使用など脳卒中リハビリテーションで有効性が認められている治療法の多くは,患者に多大な努力を要求する。よって,セラピストには患者をうまく動機づけ,やる気をださせるためのスキルが必要である。本研究の目的は,脳卒中患者の意欲を高める新しい体系的な介入プログラムを開発し,その効果を検証することである。 2022年度の研究実績の概要について3つにまとめた。まず、熟練理学療法士を対象とした動機づけ方略に関する構造化面接について成果をまとめ、論文はPhysical Therapy誌に採択された。この研究では、患者の(1)精神的問題、(2)身体症状、(3)認知機能、(4)性格、(5)活動や参加、(6)年齢、(7)人的環境、そして(8)リハビリテーションサービスの種類に応じて、熟練理学療法士は異なる動機づけ方略を選択していることが示された。次に、どのような方法や状況でリハビリテーションに対する動機づけが高まると患者自身が考えているか、また、患者と医療者の動機づけを高める方法に関する考えのギャップの有無の2点について明らかにする多施設アンケート調査を昨年度から継続していたが、これを終了した。最終的に800名以上のデータを取得し、現在データ分析および論文化を行っている。また、これまで取り組んできた上肢運動機能障害を持つ患者および嚥下障害を持つ患者を対象とした動機づけ介入のフィージビリティ研究を継続して実施し、今年度にデータ取得を終了した。最終的に25名の患者データを取得した。現在データ分析および論文化を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた複数の実験や調査を並行的に行い、当初予定していた研究はおおむね順調に実施終了することができた。またその成果のいくつかはすでに国際学術論文として発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度データ取得が終わった(1)患者と医療者間における有効と考える動機づけ方略のギャップ調査および(2)動機づけ介入のフィージビリティ研究について論文化および学会発表をする。また、(1)や(2)の成果をもとに、考案した動機づけ介入法の更なる改良を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により当初予定していた研究打ち合わせ及び学会発表に参加できなかったため、次年度使用額が生じた。使用計画に関しては研究成果の学会発表旅費および論文発表のための英文校正、オープンアクセス費用を考えている。
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