研究課題
筋サテライト細胞 (MuSC: Muscle Satellite Cell)の静止期維持シグナルの1 つであるカルシトニン受容体(CalcR)をMuSC特異的に欠損させたマウスを回転ケージによる自発運動下で飼育すると,コントロールマウスでは何も変化がない長趾伸筋において,MuSC 数の増加や筋核の増加を観察していた。本年度は,CalcRの下流因子であるPKAやYap1の変異マウスと交配し二重欠損マウスを用いた検討も行なった。さらに,運動依存的に増加する因子であるIL-6やLIFが与える影響について検討もおこなった。具体的にはCalcRとIL-6。LIFの共通受容体であるgp130を同時に欠損させたマウスを作成し,CalcR単独欠損でみられる運動依存的なMuSCの長趾伸筋における増殖が抑制されるかについて検討を行なった。また,レジスタンストレーニングモデルにおけるMuSCの増殖においてもMuSC特異的なgp130欠損マウスを用いて検討した。その結果,CalcR-PKAやCalcR-Yap1ではMuSCの長趾伸筋における増殖が抑制されたことから,CalcRシグナルの欠損が,運動依存的な非負荷筋でのMuSCの増殖を誘導することが明らかとなった。また,CalcR/gp130二重欠損マウスにおいては,CalcR単独欠損でみらるMuSCの増殖が低い傾向にあった。またレジスタンストレーニングモデルにおいても有意差はなかったがMuSC由来の筋線維核数は減少傾向にあった。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
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