本研究では、快感情や意欲に関する遺伝特性である、ドーパミンシステム系遺伝子多型によって、感情モチベーションが運動の習慣化に及ぼす影響力の強さが異なるかを明らかにすることを目的とする。この目的を達成するため、本研究では、縦断調査(研究1)と介入(研究2)を行う。研究代表者は研究1および研究2の計画・実行を主に担当し、研究分担者はこれらで収集した遺伝子の解析を主に担当する。データ分析と論文執筆は、共同して行う。 当初の研究計画に従い、2022年度の主要な実施事項は、ア)縦断調査(研究1)の2年後調査を実施すること、および、イ)介入(研究2)を行うことの2点とした。その他の実施事項として、縦断調査(研究1)および介入(研究2)で収集した検体(唾液)からの遺伝子解析と、これまで収集したデータの分析を進めた。 ア)の縦断調査の2年後調査について、前年度に行った事前調査と同様に、Web上での質問紙回答を依頼する形で行った。質問紙は、運動の実施状況、運動に対する感情モチベーション、健康モチベーション、対人モチベーション、基本属性などに関する項目で設計した。事前調査の回答者448名のうち、389名から1年後調査の回答が得られた。 イ)の介入について、新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえ、対面型での介入は見合わせ、郵送型で行うこととした。神戸市灘区および長田区内全域で募集を行い、検体(唾液)の提供と事前調査の回答が得られた364名を対象者とした。2種類の郵送資料(運動の自己管理を促す資料、運動の自己管理と楽しみを促す資料)のうち、どちらか1種類を、週1回・計7回、対象者の自宅へ郵送する介入を行った。介入後に事後調査を行い、このうち341名から回答が得られた。
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