研究期間全般を通して、コロナ禍の影響もあり、想定していた実験を遂行することが困難であったものの、一定の実験を遂行し、研究成果を挙げることができた。 健常若年男性を対象に、一過性の有酸素運動と食品素材の認知機能(実行機能と短期記憶)に対する併用効果を検証した。食品素材の摂取により、認知機能が亢進した。当該知見は、現在国際誌に投稿中である。また、健常若年男性を対象に、一定期間の低強度レジスタンス運動と食品素材摂取の認知機能(実行機能とワーキングメモリー)に対する併用効果を検証した。その結果、運動と栄養の併用は、認知機能亢進に影響を及ぼすことが明らかとなった。現在、脳機能への関与が示唆される生理活性物質の解析中である。 一方、加齢という変数が骨格筋の「量」と「質」に及ぼす影響について詳細に解析した。この成果は、国際誌に公表された。また、中高齢者に対する一定期間のレジスタンス運動が、骨格筋の「量」と「質」に及ぼす影響について詳細に解析した。この成果も、国際誌に公表された。さらに、同研究にて、脳機能に与える効果についても検証した。MRIによる骨格筋横断面積の詳細な解析と認知機能の関係性では、外側広筋の横断面積と短期記憶機能ならびに実行機能とに相関関係があることを明らかにした。一定期間のレジスタンス運動による、認知機能の改善効果については、現在論文投稿準備中である。 加えて、レジスタンス運動とケルセチン配糖体の併用が、筋の柔軟性を改善することを明らかにし、国際誌に公表した。その際の認知機能については、現在分析中であり、まとまり次第、国際誌への投稿を目指す。
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