研究課題/領域番号 |
20K21789
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
原 祐子 東京工業大学, 工学院, 准教授 (20640999)
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研究分担者 |
中山 悠 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80802058)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 近似計算 / 通信 / Internet of Things / Age of Information |
研究実績の概要 |
本研究では,高いリアルタイム性(低遅延性)を有するInternet of Things (IoT) システムの実現を目指す.IoTでは,コストや消費電力の制約からネットワークや計算リソースが限定される.近似計算は,ネットワーク接続されたIoTシステムで,若干の誤りを許容し高速処理する新たな計算手法として注目されている.本研究は,低遅延IoTシステム実現に向け,ネットワークを越えた近似計算の基本技術の確立に取り組む.受信データが誤りを含むことを許容し,IoT全体でアプリケーションを近似化しようとする,画期的な基盤技術となることが期待される.特に,情報の鮮度 (Age of Information; AoI) に基づき,データ欠損を適切に補完するAC計算手法を新たに開発する. 本年度は,具体的なアプリケーションから近似計算可能な範囲を探るトップダウン式のアプローチで取り組んだ.IoTの様々な分野で応用展開が可能であると期待される,画像の圧縮通信およびロボット制御(UAV等)の2種のアプリケーションに着目し,シミュレーション環境の構築,および,パラメータ探索を段階的に進め,2年度目以降の研究基盤を構築した. 本研究はAoIに基づく近似計算手法とAoI制御の2グループ体制で遂行している.前者ではネットワークの誤り率に応じた適切なAoI閾値の設定方針を検討するとともに,近似計算手法の開発に着手した.後者は,AoI閾値の設定方針に応じて,目標となるAoI値を実現するネットワーク制御法を確立するためのデータブロック単位のAoI制御手法の開発に着手した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
具体的なアプリケーションからトップダウン式に近似計算可能な範囲を検討し,2年度目以降の研究の足がかりをつかんだ.また,本研究の遂行および最終評価に必要な研究基盤環境(シミュレーション環境等)を構築し,近似計算手法の確立に向けた準備を完了した.さらに,今後検討すべき事項(アプリケーションのパラメータ等)を精査した.
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果をベースに,アプリケーション毎に具体的なパラメータ(近似計算の適用範囲や程度)の探索を開始する.最初はシミュレーション環境内でなるべく理想的な環境(通信路におけるノイズの程度や混入の前提等)を想定し,近似計算手法を検討する.最終的に,実環境に近い状況を作り出し,実機評価へ繋げていくための検討事項を精査する.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で学会参加や実証実験が難しく,本年度の旅費の支出がほとんど無くなったため.本年度実施予定だった学会参加および実証実験は,2年度目以降に実施する予定である.
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