研究課題/領域番号 |
20K21800
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田中 文英 筑波大学, システム情報系, 准教授 (50512787)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 物理エージェント |
研究実績の概要 |
当初計画の最終目標であった、把持型デバイスの効果検証実験を実施することができた。前年度に開発した「握る」「握られる」双方のソーシャルタッチを可能とする把持型デバイスを総勢70名強の実験参加者に使用してもらい、予備実験で熱刺激・電気刺激双方の手法を比較検討の末、最終的には熱刺激提示を用いて本実験を行った。痛み実験プロトコルもこれまで開発してきたPain60ベースのものを用いた。 実験では、把持型デバイスを用いたhaptic interactionに関して三種類の制御方法を比較し、その分析を通じて人とロボットの間でのinterpersonal touch、そしてその痛みや不安軽減への効果を調べることを目指した。 PAS(pain assessment scale)から唾液分析(oxytocin/cortisol)そして各種心理指標(GVAやPANAS等)による広範囲の測定を行い、詳細な統計分析を行った結果、当初計画で目指していた把持型デバイスの痛み軽減効果に加えて、不安を軽減する効果も有することが判明した。 これにより当初計画の目標は達せられ、加えて新たに当初計画に無かったAR技術との連携研究を開始することもできた。本研究成果の国際雑誌出版のみが令和4年度にずれ込んだため、そのための費用と合わせて補助事業期間を延長したが、研究内容面では予定通り完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記した通り、研究内容面では当初計画の目標を達成しており、さらには当初計画に無かった新しいテーマを始めることもできた。本研究成果の国際雑誌出版のみが令和4年度にずれ込んだため補助事業期間を延長したが、研究内容面では完了している。
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今後の研究の推進方策 |
すでに研究自体は完了しており、研究成果の国際雑誌出版のみが令和4年度にずれ込んでいるが、特に問題なく進むものと予想される。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究内容面では当初計画を完了しているが、本研究の成果の国際雑誌出版のみが令和4年度にずれ込んでおり、そのための費用である。
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