研究課題/領域番号 |
20K21805
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飯野 雄一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40192471)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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キーワード | 線虫 / 強化学習 / 行動モデル / 確率モデル / 4Dイメージング / 全脳イメージング / 化学走性学習 / シナプス可塑性 |
研究成果の概要 |
本研究では、まず線虫の行動を定量観測し、過去の行動および外部刺激のパターンから次の行動を確率的に予測するニューラルネットワークモデルを作成した。次にこのモデル線虫に対して強化学習モデルを学習させることにより線虫の行動を制御することに成功した。一方、線虫の全頭部神経の活動を同時に観測し、神経活動から後退運動を予測することに成功した。さらに、学習により変化するシナプスを特定し、シナプス放出に関わるシンタキシンのリン酸化が学習により制御され、行動を変化させることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
線虫を用いた遺伝学、分子生物学、分子イメージング、神経イメージング、行動定量化、数理解析による脳研究
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳の情報の読み取りや操作は脳科学の大きな目標のひとつである。本研究では、線虫を用いて行動モデルを作成し、その上で強化学習を行い、これにより行動を自在にコントロールする方法を取得し、実際の線虫をその方法で制御できることを示した。さらに、分子的な行動制御にも成功し、全頭部のイメージングによる脳活動の読み取り、行動予測にも成功した。これら一連の読み取り、制御技術は将来ブレインマシンインターフェースにより神経損傷患者のリハビリ支援などの技術を開発する際の基盤的な学術的知見として有用となることが期待される。
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