研究課題/領域番号 |
20K21821
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
陳 延偉 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60236841)
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研究分担者 |
岩本 祐太郎 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (30779054)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 三次元深層学習ネットワーク / 軽量化 / ボリューム画像 / 肝臓疾患 / セグメンテーション / 高解像度 |
研究実績の概要 |
医用ボリューム画像をそのまま解析できる軽量化三次元深層学習ネットワークの開発を目的に、以下の研究成果が得られた。 (1) 三次元ボリューム画像に特化した深層学習モデルVolumeNetを提案した。既存のn二次元深層学習ネットワークに比べ、三次元深層学習ネットワークのパラメータ数が大幅に増大するので、高計算コストや学習用サンプルが少ないなどのチャレンジ課題が多い。VolumeNetは新たな軽量化方式を提案し、精度を維持しながら、ネットワークのパラメータ数と計算の複雑さを大幅に軽減することが可能となった。本研究成果は、画像処理のトップ国際学術誌IEEE TIP(10.856)で発表した。 (2) 超解像技術と組み合わせた、高解像度三次元深層学習枠組を確立した。三次元ボリューム画像を処理する場合、計算コスト以外のチャレンジ課題としてメモリ問題がある。計算メモリの制限で大きいサイズの三次元画像を計算することができない。これまで、三次元画像をいくつかの小さいサイズの三次元画像に分割してそれぞれ処理したり、三次元画像をダウンサンプリングして低解像度画像に変換したりして処理を行ってきている。前者の場合、画像全体のセマンティック特徴が得られない。後者は解像度が低くなってしまう。提案法は、小さいサイズの低解像度画像を用いるが、三次元超解像度ネットワークを併用することで、高解像度画像の処理結果が得られるようになった。本研究成果は、医用画像解析のトップ国際学会MICCAI2021で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
(1) ネットワークのパラメータ数と計算の複雑さを大幅に軽減するだけではなく、精度も向上させるVolumeNetを開発した。三次元ボリューム画像処理の深層ネットワークを確立した。 (2) 世界トップ学術誌IEEE TIP (10.856)とトップ国際学会MICCAI2021で研究成果を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
今後これまで開発した三次元深層学習ネットワークを様々な分野に応用していく。特に肝臓疾患の診断支援に応用していく。三次元肝臓セグメンテーション、腫瘍セグメンテーション、肝臓腫瘍の鑑別などを中心に研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19のため、予定していた国内と海外出張ができなかったので、次年度に研究発表と研究打ち合わせなどに国内外の出張を行う。
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