研究課題
挑戦的研究(萌芽)
研究期間全体を通じた成果として,二波長差分計測を応用し,二組の二波長計測から大気中における遠赤外光の減衰量を計測することで,熱物体までの距離を推定する手法を構築した.特徴として,パッシブセンシング方式であり,光源・熱源を必要とせず,熱を持つ対象物体が放つ遠赤外光放射を用いる点がある.現在のところ,数メートルから数十メートル先にある比較的高温物体までの距離を推定可能であることがわかっている.
コンピュテーショナルフォトグラフィ
サーモグラフィは様々な分野においてすでに活用されているが,どの分野でも計測された温度を解析することに基づいており,サーモグラフィの本質である遠赤外光の解析ではない.すなわち,サーモグラフィは温度計測としての価値しか知られていないのが現状である.本研究によって,これらの学術領域における解析を飛躍的に進化させることに貢献できるのみならず,これまでサーモグラフィを利用してこなかった分野にまで活躍の場を与えるなど,大きな波及効果が期待される.