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2023 年度 実績報告書

データ同化を蛍光顕微鏡イメージングに適用する試み

研究課題

研究課題/領域番号 20K21836
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設)

研究代表者

渡部 匡己  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 特任准教授 (70599480)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2024-03-31
キーワード生物画像シミュレーション / 細胞シミュレーション / 蛍光イメージング
研究実績の概要

細胞内のオルガネラや生体分子などの特性や動態を測定するには、GFPなどの蛍光分子を細胞内の生体分子にタグして観測する「蛍光顕微鏡イメージング」がよく使われている。しかし、これらの方法ではタグされた生体分子が存在する領域の要素の分布や動態について知ることはできるが、それ以外の細胞内領域は観測できていないため、その構成要素の分布や動態を解析することはほとんどできていない。また、タグされた生体分子が、どのようにして観測できていない領域に存在する要素と相互作用しているのかは、ほとんど明らかになっていない。 本研究では、蛍光顕微鏡イメージングにて観測できていない細胞内領域の物理情報、特に「屈折率」と「吸光係数」を再構築することを計画している。蛍光分子が発した光が、細胞の複雑な形状や細胞内のオルガネラなどの障壁により、屈折/反射/吸収などの光学的効果を起こすため、実際 の画像は、細胞の真の像から多少なりとも違って写っていることがわかっている。具体的な目標として、これらの物理変数をベースとして細胞シミュレーションの画像を生成し、実際の画像に変数フィッティングを行ない、観測できていない領域における細胞内の各オルガネラに対応する屈折率と吸光係数の分布を再構築することを目指していた。
本研究の具体的な成果として、以下の3つを挙げる。
(1) 細胞モデリング:HeLa細胞の蛍光画像を用いて、光学特性(屈折率、減衰係数)を組み込んだ細胞モデルを構築した。
(2) 生物画像シミュレーション:光学的要素だけでなく、熱学的要素の一部を含めた顕微鏡シミュレーションの実装を行った。
(3)機械学習による変数フィッティングをしてパラメータの再構築を計画していたが、よりシンプルな方法を思いついたので、代わりにモデル駆動型の解析方法を実装し、細胞内の屈折率分布及び減衰係数の再構築に成功した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Optical dispersions through intracellular inhomogeneities2023

    • 著者名/発表者名
      Masaki Watabe, Yasuhiro Hirano, Atsuko Iwane, Osamu Matoba and Koichi Takahashi
    • 雑誌名

      Physical Review Research

      巻: 5 ページ: L022043-1~6

    • DOI

      10.1103/PhysRevResearch.5.L022043

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 一分子蛍光イメージングにおけるコロナグラフ的解析2023

    • 著者名/発表者名
      渡部匡己
    • 学会等名
      第6回「散乱透視学」領域会議
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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