日本が面する西部北太平洋は、全海洋の面積の6%を占めるに過ぎないが、全海洋の水産資源の27%を生み出す。これらの水産資源を支えているのは海洋の基礎生産者である植物プランクトンである。また海洋の基礎生産者である植物プランクトンは、光合成を行うことでCO2を有機炭素に変え、有機物粒子の沈降を介し海洋の中深層に送り込む。これは海洋生物ポンプと呼ばれ、特に大型の珪藻類が生物ポンプに果たす役割は大きい。本研究の成果は、西部北太平洋亜寒帯域がなぜ珪藻種の優先する生物生産の高い海になるのかを明らかにすることにつながり、日本近海の水産資源を生み出すシステムや二酸化炭素吸収メカニズムの解明に結びつく。
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