研究課題
本研究は、従来の手法では観測が困難であった外洋域表層環境の微細スケール構造の実態を現場での直接観測により解明することを目的とする。本研究で対象とする表層環境は、風の吹送作用、波浪のストークスドリフトと砕波散逸の影響が直接及ぶ範囲で、近年海洋学の分野で注目され研究の進展が著しいサブメソスケールよりも1~2 オーダー水平スケールが小さく、潮目、波浪、ラングミュア循環等に伴う海洋表層の生物や物質の集積、分散に直接作用する海洋構造を対象とする。この微細な海洋構造を正確に直接観測するため、一昨年度に水中ドローン (SEASAM/Notilo Plus社) を、昨年度にGPS搭載ブイ(SEASAM-Navigator/Notilo Plus社)を新たに納入した。今年度は、岩手県大槌湾内において、水中ドローンにメモリ式水温・塩分計(A7CT2-USB/JFEアドバンテック社)を取付けて、予めプログラミングした水中ドローンの潜航経路に従って、GPS搭載ブイを介して海洋表層の微細構造の自動観測を実施した。水平100 m四方、表層から水深20 mの範囲内を、水平方向の解像度10 m、鉛直方向の解像度0.1 mで水温・塩分の3次元微細構造観測を実施した。この実海域における運用試験により、無人潜水機を用いた表層環境の微細スケール構造の自動観測の実現可能性を確認した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) 備考 (1件)
Regional Studies in Marine Science
巻: 63 ページ: 102964
10.1016/j.rsma.2023.102964
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http://lmr.aori.u-tokyo.ac.jp/feog/kosei/photo.html