研究課題
挑戦的研究(萌芽)
廃棄金属筐体の延性蘇生コールドリサイクル(廃棄金属筐体を熔解せずに,室温状態で塑性変形させて,延性のある均一板厚の平板に戻す)の可能性に挑戦した.コールドリサイクル中のインクリメンタル平坦化における変形集合組織のランダム化に着目し,その制御因子と考えられるインクリメンタル平坦化のハンマリングの成形ピッチを変えて,延性蘇生の発現を調べた.その結果,成形ピッチを小さくして製造された硬質アルミニウムのコールドリサイクル板では,その曲げ性が素板を上回ることが明らかになった.
塑性加工学
廃棄金属筐体を熔解せずに室温状態で塑性変形させて平板に戻すコールドリサイクルが可能になれば,熔解過程を経ないため温室効果ガス排出量が激減する.しかしコールドリサイクル板は,加工硬化部の低延性によりその再成形は難しい.このためコールドリサイクルの成否は延性の蘇生にある.コールドリサイクル過程のインクリメンタル平坦化による変形集合組織のランダム化という新発想の視点から延性蘇生の可能性を明らかにした.