研究課題
挑戦的研究(萌芽)
ミトコンドリアを疾患細胞に移植するミトコンドリア移植療法は非常に有用であるが、治療効果を得るのに最適な共生 (細胞導入・ミトコンドリアコミュニケーション)が実現できていない事に問題があった。本申請研究では、治療用ミトコンドリアとして共生能を付加した人工ミトコンドリアを創製する事を研究の目標に据えた。本申請研究では、①人工ミトコンドリアの製剤化および細胞内動態の最適化、②ミトコンドリア病モデルを用いた治療効果の検証。研究期間内に、人工ミトコンドリアの創製に関する一定の成果を得た。
薬物送達学
本研究で開発を進めた人工ミトコンドリアは、オルガネラ製剤という新たな領域を拓き、根本的な治療が難しいミトコンドリア病などの治療に大きく貢献する事が期待される。さらに、組織・個体レベルでの人工ミトコンドリアの移植が実現すれば新たなモデル動物を作出し、ミトコンドリアが関連する個体レベルの生命現象の生体制御研究を世界に先駆けて着手する事が可能になる。本申請研究で得た知見は、我が国の科学技術発展および新薬開発にも大きく貢献するが期待される。