常温低磁場核偏極技術によりNMR信号の数万倍の高感度化により、生検中の代謝物群をまとめて励起し、NMR測定する高速メタボローム診断法の開発を行った。1.5T NMR装置における13C NMR信号が最大7万倍励起まで大幅に向上し、数10μMの濃度の代謝物が13C NMRで検出可能となった。一方でコロナ禍での研究制限と初年度の装置故障による遅れが響き、LC/TOF-MSによる疾患特有の代謝変容の同定は既知の疾患マーカー代謝物群に留まった。誘導体化したカルボン酸を含む代謝物群を、フロー方式でサンプル注入、超偏極誘導、分極移動、後処理までの全プロセスの組込み型マイコンによる自動化システムを構築した。
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