膜厚約1μmの窒化ケイ素製自立膜に、直径数μmの微小貫通孔をアレイ状に形成した。この膜上にヒトBリンパ球様細胞を固定した。酪酸ナトリウムを作用させて細胞にアポトーシスを誘導し、直径10μm以上の巨大な細胞外ベシクルを微小孔から下方に突出させるように生成した。次に、約5μmの間隙を設けて、微小孔アレイ膜2枚を上下に配置した。上側の膜の上面に細胞を固定し、膜間に挟むように巨大ベシクルを生成させた。上下の膜を分離することで、下側の膜の上面にベシクル膜を転写した。以上のようにして、正常な構造と機能を有する膜タンパク質を、ベシクル膜に保持した状態でデバイスの微小孔内に取り出す技術を構築した。
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