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2021 年度 実施状況報告書

リポソームと好塩基球を融合したハイブリッド分泌系の構築と細胞治療・DDSへの展開

研究課題

研究課題/領域番号 20K21906
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

平嶋 尚英  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (10192296)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワード分泌細胞 / 巨大リポソーム / 人工細胞 / 細胞治療 / DDS
研究実績の概要

人工系(細胞サイズの巨大リポソーム)と生細胞系(好塩基球 RBL-2H3)の融合

巨大リポソームと好塩基球の融合を、細胞融合装置(ECFG21、ネッパジーン)を、Saitoらの方法を用いて行った。Saitoらの実験条件では、融合のための直流パルスの印加によって細胞サイズの巨大リポソームが壊れることが判明したため、まずは、直流パルスの印加によって巨大リポソーム崩壊が誘導されない直流パルスの条件を決定した。
次に、巨大リポソームの膜を蛍光色素NBDで標識したホスファチジルエタノールアミン(NBD-PE)で可視化し、RBL-2H3と融合させた。交流電圧、直流パルスの条件を検討し、いくつかの条件で、巨大リポソームとRBL細胞が融合したように見える条件を見出した。しかしながら、蛍光顕微鏡による蛍光標識リン脂質のRBL細胞膜への拡散が認められず、巨大リポソームとRBL細胞の融合の確証が得られなかった。
そこで、RBL細胞の方も蛍光で可視化するために、RBL細胞に含まれる分泌顆粒を赤色蛍光リソトラッカーで染色して融合させたが、分泌顆粒の巨大リポソーム内への拡散が認められず、融合の確証が得られなかった。
現在、RBL細胞をHoechst33342で核染色し、巨大リポソームは膜をNBD-PEで、内部の水層を水溶性の蛍光色素であるカルセインで染色し、巨大リポソームとRBL細胞の融合を3種の蛍光色素の位置関係を解析することによって検証する系の確立を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

巨大リポソームとRBL細胞を融合させるために印加する直流パルスによって巨大リポソームが崩壊することが明らかとなり、リポソームの脂質組成と直流パルスの印加条件の検討に時間を要した。
また、巨大リポソームとRBL細胞が融合したことを示す指標としていた蛍光標識リン脂質膜のRBL細胞膜への側方拡散や、RBL内の分泌顆粒の巨大リポソーム内への拡散が明確には観察されず、両者の融合の証拠となる評価系の再設計が必要となったため。

今後の研究の推進方策

RBL細胞のHoechst33342による核染色、巨大リポソームのNBD-PEとカルセインによる二重染色の、合計三重染色で、巨大リポソームとRBL細胞の融合を3種の蛍光色素の位置関係を解析することによって検証する系を構築したので、この系を用いて、効率の良い人工-生細胞融合ハイブリッド系の調製を確立する。
得られた、ハイブリッド系に対して、外界認識能と分泌能の保持を確認し、DDSとしてのハイブリッド分泌系を得る。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額は、1万円未満と少額であり、研究計画通りに使用されいる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 名古屋市立大学大学院薬学研究科 生体超分子システム解析学分野

    • URL

      http://http://www.phar.nagoya-cu.ac.jp/hp/ybu/HP/index/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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