美術解剖学の資料収集として、国内外から関係書籍を購入することができた。また骨格レプリカを海外から取り寄せた 。それらを元に解剖図(骨格図)を制作しSNS上で公開している。書籍の比較による、解剖図の基準値の設定は、制作年代と、技術によって振り幅が大きいため、デジタル制作を主眼とした時に制作しやすいスタイルを採用するに至った。当初の目的であった学会発表はコロナのため開催されず見送ったが、SNS等で、イラスト制作者、美術解剖学の恩恵を受ける人々に広く公開することでフィードバックを得ることを試みている。また一般書として、動物の美術解剖学を共著として出版し、啓蒙に繋がった。制作した解剖図は講義の際に実際に使用し、より精度の高い美術解剖図の制作を進めている。また自身の講義ではなく、他大学で使用してもらうよう依頼中、SNSからのフィードバックと共に今後の研究に繋げていきたいと考えている。解剖図はデジタルデータで制作しているが、実際の解剖体から描き起こす場合、資料として不可逆的であるが、CTデータを使用することで非破壊的に資料を利用することが可能になり、筋と骨格の相対的な位置関係が把握しやすい。当初の目的にはなかったが、解剖図制作の大きな助けとなると考え3Dデータの有効活用を試行している。体表の情報、特に色彩は、CTでは得ることができないため、複数の写真から3D画像の構築を行うフォトグラメトリーを利用して標本の撮影を試行している。
|