哲学や文学、社会学などの学問分野の分割に沿って学び、研究を進めている。そうした分野ごとに参照される固有名詞・概念・人名・手法が無意識に限定されるのも事実だ。しかし、そうした分野ごとの相対的自律性は、過去の知識人たちが生きていた頃は必ずしも自明ではなかった。本研究は、アメリカを代表する哲学者ジョン・デューイの「自然主義」という言葉と発想に影響される形で、アメリカの知的風景を「自然主義」の観点から再編成することを試みたものであり、必ずしも方法論や対象を共有していない面々が、関心や関わり方、目標を共有していたことを既存の学問地図とは異なる形で示そうとした点に、一つの社会的な意義があると思われる。
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