本研究は1990年代から2010年代までを中心に、韓国で巫俗に対する多様な視点が形成される過程を明らかにするものである。上記の目的のもと、主に巫俗に対する政治的な次元における言説を収集、分析する作業を行ってきた。1960年代以降、研究者の言説が巫俗の社会的位置を押し上げたことは確かだが、研究者の言説を利用し、巫俗とナショナリズムを接合させ、統治を円滑に進めようとした政治的な次元の言説も、巫俗言説の形成過程を捉える上で非常に重要である。そのため本研究では、1990年代から2010年代までを中心に、巫俗と政治とのかかわりを明らかにする作業を行ってきた。
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