本研究は、日本における非配偶者間人工授精(AID)の過去の実施状況を検討した。AIDは、1948年にはじめられたことはよく知られているが、今日に至るまで、少なくとも60施設以上が実施経験があったことが明らかになった。医師たちはこの処置を擁護するため、子へのフォローアップ調査を行っていた。本研究ではフォローアップ調査を分析し、子の「優秀さ」のエビデンスとしてこうした調査が使用されたことを示した。また、本研究では誰がどのように提供者役割を担っていたか検討した。医学生が提供者の中心を担ってきたこと自体はよく知られているが、彼らは積極的に提供に応じたわけではなかったことなどが示された。
|