研究課題
本研究では、第一に、一般化階層ベイズと呼ばれる統計手法を用いてコーパスデータを分析し、尊敬語構文の使い分けを客観的に探索・記述すること、そして、第二に、この結果に基づき「尊敬語表現が競合するのはなぜか」についての理論化を、分散形態論の枠組みで行うことの二つを柱としてプロジェクトを開始した。この研究目的は、どちらも予定通り達成された。とりわけ、実施年度の最後に国際論文として発表された下記の論文は、上記に振れた一般化階層ベイズをさらに発展させ、さらに状態空間モデルをも取り込んだ現在の言語学の先行研究では誰も使用したことのない最先端の高度な統計手法を、敬語における歴史変化という課題に接続させ、それを分散形態論の枠組みで論じた本プロジェクトの象徴的な論文となった。Yamada, A. (2023) Looking for default vocabulary insertion rules: Diachronic morphosyntax of the Japanese addressee-honorification system. Glossa a journal of general linguistics 8(1) 1-47.他にも、数々の国内、国際学会において、時に国内外の共同研究者と共に学会発表を積み重ねてきた他、様々なワークショップでの招待講演や権威のある国際的な言語学のハンドブックへ寄稿を依頼されるなど、その研究成果は着実に多くの研究者の目に触れ、引用されるようになっている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
Glossa: a journal of general linguistics
巻: 8 ページ: 1-47
10.16995/glossa.8338
Speaker, Addressee, and Social Relation
巻: 44 ページ: 1-38
10.16995/glossa.7669
言語文化共同研究プロジェクト2021:自然言語への理論的アプローチ
巻: - ページ: 42-51
The Proceedings of NELS 52
巻: - ページ: 255-264
Proceedings of the Fifty-sixth Annual Meeting of the Chicago Linguistic Society
巻: - ページ: 171-186
https://researchmap.jp/AkitakaYamada