研究課題/領域番号 |
20K21961
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
平川 恵実子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (30881768)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 古典文学 / 仏教文学 / 仏教 / 聖教 / 寺院調査 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、主に四国内の仏教寺院で活動していた僧や寺院同士の関係性を明らかにすることである。寺院に所蔵されている聖教から得られる情報を丹念に解析することによって、四国内の僧の行動内容や行動範囲、学習法や布教の仕方、地域との関わり等の解明が期待できる。 本年度は寺院の所蔵文献目録の中から、主に表紙・奥書・識語に記された僧の名を整理し、頻度が高い僧を抽出する作業を行った。僧が書写・所持していた文献の種類や内容を分析することによって、文献を所蔵する寺院がいつどのような資料を必要とし収集したのかといった寺院の蔵書全体の構成についても目を向けた。そうした作業の過程で必要となった図書や物品を購入し、研究環境を整えた。 本来なら覚城院(香川県)などの既に訪問したことのある寺院で調査を行いつつ、来年度の研究計画の実行に向けて正興寺(徳島県)を訪問する予定だったが、新型コロナウイルス流行の影響で訪問が叶わなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定に沿って寺院の蔵書目録から僧侶の来歴を調査し、活動範囲を整理する作業を行い、関連する資料の収集や物品購入を行うことができた。しかし、新型コロナウイルス流行により、寺院に赴いての調査が叶わず、来年度の研究計画実施に向けての準備ができなかったため、やや遅れている進捗状況である。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に行った僧侶の来歴を調査し、活動範囲を整理する作業を継続し行う。 当初の計画では、本年度は新たに正興寺(徳島県)や地蔵寺(大阪府)に赴き資料調査を行い、四国の寺院相互の関係性を解明することを目指すとともに、近畿地方の寺院との関係を考える予定だったが、新型コロナウイルス流行の状況によっては調査が不可能になることも考えられる。その場合は既に報告された蔵書目録などの分析を中心に研究を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時は、寺院や研究所における資料収集のために出張旅費を計上していたが、新型コロナウイルス流行のため断念した。また、学会参加のための出張旅費も計上していたが、学会がオンラインで行われたため、旅費が必要ではなくなった。そのため、出張旅費の全額を物品費として使用することにしたが、すべて使い切ることができなかったため、次年度に回した。 次年度は、今年度に引き続き、研究に必要な図書その他の資料収集を行う。デジタルカメラとスキャナーを購入し、研究や資料調査で使用する。新型コロナの状況を見ながらであはあるが、寺院に赴き調査を行い、そのための出張旅費としても使用する。また、研究成果を他の研究者へ送る発送費としても使用する予定である。
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