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2023 年度 実績報告書

アメリカ文学における摩天楼表象の変遷

研究課題

研究課題/領域番号 20K21964
研究機関和洋女子大学

研究代表者

坪野 圭介  和洋女子大学, 国際学部, 准教授 (80884246)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2024-03-31
キーワードアメリカ文学 / 摩天楼 / 大衆文化 / アメリカ文化
研究実績の概要

最終年度には、摩天楼や都市の構造物を表象したテクストの分析を進めるとともに、論文としての成果発表を行った。アメリカの都市あるいは国家そのものの象徴とみなされる遊園地の存在に着目し、急激な都市化とともに移民社会となっていったアメリカ合衆国の文化的状況が、遊園地の表象のなかにあらわれていることを考察した。とりわけ、キューバの作家・運動家であるホセ・マルティと、日本の作家である永井荷風という、一時的にアメリカに滞在した二人の書き手が、19世紀末から20世紀初頭のアメリカ社会をどのように捉えていたかを分析した。両者は、アメリカの外からの視点と中からの視点を巧みに組み合わせながら、コニーアイランドの遊園地を象徴的磁場に位置づけ、産業都市化したアメリカにおける生活と、祖国であるキューバや日本での生活とを、両義的に比較してみせている。摩天楼の出現によって印象づけられる都市風景の変化や資本主義社会の進展といった状況が、遊園地という娯楽施設の描写を利用して複雑に描かれている過程が明らかになった。
研究期間を通じて、摩天楼の誕生から現在にいたるまでの約150年間に、高層ビルがアメリカ合衆国やグローバル化した現代世界のなかでどのような役割を担ってきたのかを、論文や翻訳、発表を通じて検討してきた。現在、21世紀のニューヨークの摩天楼の「アトラクション化」について記事を発表する予定があるほか、まだ十分に発表できていない研究の蓄積があるため、今後論文での発表や書籍化などを計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Coney Island as a Symbol of North America for Half-Outsiders: Through the Eyes of Jose Marti and Nagai Kafu2024

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Tsubono
    • 雑誌名

      Finisterre II: Revisiting the Last Place on Earth: Migrations in Spanish and Latin American Culture and Literature

      巻: 2 ページ: 113-129

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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